【米国CPI速報】9月は3.0%(前年比)—政府閉鎖下で公表

【Point!】
- 総合CPI:前年比3.0%(前月2.9%)/前月比+0.3%(予想0.4%下回り)
- コアCPI:前年比3.0%/前月比+0.2%(鈍化)。住居・サービスは粘着、保険・中古車は下落
- 直後の市場:米金利低下・ドル軟化・株先物上昇=利下げ観測強化
| 指標 | 結果 | 予想 | 前回 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 総合CPI(前年比) | 3.0% | 3.1% | 2.9% | 上振れ気味のトレンドが一服 |
| 総合CPI(前月比) | +0.3% | +0.4% | +0.4% | ガソリン+4.1%が主因 |
| コアCPI(前年比) | 3.0% | 3.1% | 3.1% | 粘着だが緩やかに鈍化 |
| コアCPI(前月比) | +0.2% | +0.3% | +0.3% | 住居+0.2%、OERは+0.1% |
| エネルギー(前月比) | +1.5% | — | +0.7% | ガソリン+4.1% |
| 食品(前月比) | +0.2% | — | +0.5% | 内訳:内食+0.3%、外食+0.1% |

BLS(米労働統計局)は政府閉鎖下にもかかわらず、例外的に2025年9月CPIを10月24日(米東部時間)に公表。総合は前年比3.0%(前月2.9%)、前月比+0.3%、コアは前年比3.0%、前月比+0.2%でした。ヘッドラインはガソリン高の押し上げが目立つ一方、コアでは住居・サービスの粘着と自動車保険・中古車の下落が拮抗。発表直後は米金利低下・ドル安・株高が進み、次回FOMCへ利下げ観測を強化する流れとなりました。
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総合CPI|ガソリン4.1%高で前月比+0.3%、前年比は3.0%
総合CPIは前月比+0.3%。月次の押し上げはガソリン+4.1%(エネルギー全体+1.5%)が最大要因。食品は+0.2%(内食+0.3%、外食+0.1%)と落ち着き、電気-0.5%、都市ガス-1.2%が一部を相殺しました。前年比は3.0%で、8月の2.9%からわずかに加速。とはいえ市場予想(3.1%)は小幅に下回り、サプライズは“ややソフト”。
12カ月ベースでは、エネルギー+2.8%、食品+3.1%。ガソリンの前年同月比は-0.5%と、上昇している電気(+5.1%)・都市ガス(+11.7%)と対照的です。物価の大局観としては、エネルギー要因のノイズがヘッドラインを揺らしやすい局面が続いています。
コアCPI|住居+0.2%、OER+0.1%(21年1月以来の小幅)
コアCPIは前月比+0.2%(前月+0.3%)。主要項目では住居(シェルター)+0.2%、帰属家賃(OER)+0.1%(2021年1月以来の最小)、賃貸料+0.2%、ホテル等の外泊+1.3%。サービス価格では航空運賃+2.7%、娯楽+0.4%、家財・家事サービス+0.4%、衣料+0.7%、パーソナルケア+0.4%などが上昇。一方で、自動車保険-0.4%、中古車-0.4%、通信-0.2%が下押し要因でした。
前年比のコアは3.0%。家賃関連の粘着は残るものの、OERの伸び鈍化はコアの先行きにとって朗報。賃金・サービス需給のたるみが広がれば、2026年にかけてコアの2%台定着が視野に入る一方、医療(+3.3%)、家財・家事(+4.1%)など一部の粘着領域は警戒が必要です。
主要カテゴリの動き
- エネルギー:ガソリン+4.1%で月次を牽引。前年比寄与は限定的(ガソリンは-0.5%)。
- 住居:住居総合+3.6%(前年比)。月次+0.2%と鈍化傾向、OER+0.1%は低下の前触れ。
- サービス:航空運賃の反発が目立つが、保険下落・中古車安で一部相殺。
- 食品:内食は広く小幅高(シリアル・飲料+0.7%など)。乳製品-0.5%が押し下げ。
- 医療:病院・処方薬ともに+0.3%。ヘルスケアの基調はやや強め。
市場反応|金利低下・ドル軟化・株高、利下げ観測が前進
発表直後、米先物は上昇、米長期金利は低下、ドル指数は軟化。投資家は「ソフトながらディスインフレ継続」と解釈し、次回FOMCでの利下げ確率が高まりました。年内の追加利下げ観測も強まっています。
当局コミュニケーションでも「今回のCPIは予想を小幅に下回った」→「政策緩和の余地拡大」というトーンが優勢。もっとも、住居やサービスの粘着、医療・家財価格の強さには注視が必要です。
政府閉鎖下でもCPIを例外公表—背景と注意点
BLSは「9月CPIのデータ収集は閉鎖前に完了」と明記し、社会保障のCOLA算定のために10/24へ発表日をリスケジュール。雇用統計等の他指標は停止・遅延が続く可能性があります。10月分CPIは閉鎖影響で未公表の恐れがあるため、今回の数字は次回FOMC判断において相対的重要度が一段と高い点に留意が必要です。
投資家の実務アクション|短期〜中期
- 為替:ドル円は米金利低下に連動しやすい局面。CPI下振れ→ドル安・米株高の組み合わせを想定。過度なボラに注意しつつ、指値・逆指値で機械的に管理。
- 米株:ディスインフレ優位=長期金利低下=グロースに追い風。決算とのクロスチェックを徹底。
- 債券:10年・2年とも利下げ織り込みで妙味。期間分散の“ラダー”構築が有効。
- コモディティ:ガソリン・原油要因の一巡可能性をにらみ、エネルギーの逆張りは慎重に。
- 来月の不確実性:10月CPIが発表されないリスク。需給とガイダンス重視へシフト。
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※本コンテンツは情報提供であり、投資勧誘ではありません。
よくある質問|FAQ
コアCPIが鈍化しても、なぜ物価が高いと感じるの?
コアは食品・エネルギーを除くため体感とかい離しやすい一方、政策影響を受けやすい“基調”を映します。住居・サービス価格は賃金や契約更新のラグで下がりにくく、鈍化には時間がかかります。
今回のCPIは政府閉鎖の影響を受ける?
9月分は収集が閉鎖前に完了とBLSが明記。通常時並みの品質が保たれる一方、10月分は未公表リスクがあるため、本月の重みが増しています。
FOMCへの影響は?
予想を小幅下回る“ほどよい鈍化”で、政策金利は利下げ継続のシナリオが有力に。もっとも、住居・医療・サービスの粘着が残る限り、利下げペースは段階的と見るのが妥当です。
※本記事は作成時点の公的データ・報道に基づく一般的情報提供です。特定銘柄・通貨・商品の売買推奨ではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
出典
- BLSニュースリリース本体(PDF):Consumer Price Index – September 2025(収集は閉鎖前に完了、主要内訳)
- BLS CPIホーム(要約見出し「9月は0.3%上昇、ガソリン上昇」):CPI Home
- BLS 9月分CPIの例外的リスケ発表:September 2025 CPI Release Rescheduled
- ロイター日本語:9月CPIは予想小幅下回り(前年比3.0%、前月比+0.3%):記事
- みんかぶ/株探:米CPI速報(前月比0.3%、コア0.2%など):記事
- ブルームバーグ:CPIが予想下回り、利下げ観測前進・リスク資産上昇:English / 日本語(例外公表)
- ロイター(市場反応、先物・金利・ドル):記事
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