【7月米CPI】コア加速、サービス再点火で1月以来の伸び|市場・FRB・投資戦略を総点検

米労働統計局(BLS)が発表した2025年7月のCPIは、総合+0.2%(前年比+2.7%)、コア+0.3%(前年比+3.1%)。モノのインフレは落ち着く一方、サービス価格が再加速し、インフレ抑制の難しさを示しました。本稿では、項目別の内訳から市場インパクト、FRBの次の一手、実務的な投資アクションまで立体的に解説します。
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【結論】|モノ鈍化 × サービス再加速——インフレの質が悪化
コアCPIは前月比+0.3%(1月以来の強め)。牽引役はサービスで、航空運賃+4.0%、医療関連や娯楽も上昇。住居費は+0.2%と落ち着きを維持。一方、財(モノ)は食料・エネ除くで+0.2%と伸びが緩く、6月から鈍化。総合CPIは前月比+0.2%/前年比+2.7%で、ガソリン下落(-2.2%)がヘッドラインを抑制しまし
指標 | 前月比 | 前年比 | トピック |
---|---|---|---|
総合CPI | +0.2% | +2.7% | ガソリン下落が押し下げ |
コアCPI(食料・エネ除く) | +0.3% | +3.1% | 1月以来の強め |
サービス(エネ除く) | +0.4% | +3.6% | 広く上昇 |
住居費 | +0.2% | +3.7% | 安定推移、ホテルは下落 |
財(食料・エネ除く) | +0.2% | +1.2% | 関税影響懸念は一服 |
航空運賃 | +4.0% | — | 3年ぶり級の上げ幅 |
エネルギー | -1.1% | -1.6% | ガソリン-2.2% |
出所:米国労働統計局より引用
詳細分析|サービスが再点火、財のインフレは沈静化
7月は住居費+0.2%で落ち着き、ホテル(lodging away from home)は-1.0%と続落。対照的に、医療サービス+0.8%、娯楽+0.4%、家財・家事サービス+0.4%など幅広く上昇しました。航空運賃+4.0%は下半期の旅行需要と供給制約を反映。財は中古車+0.5%、新車は横ばい(0.0%)で、全体の伸びは限定的です。
出所:労働統計局より
関税の物価押し上げ懸念は「財」で一服、焦点はサービスへ
6月時点で意識された関税によるモノ価格の上振れは、7月は伸びが鈍化。ガソリン安もあって、総合の頭を抑えました。市場の関心はサービスインフレの粘着性へシフト。足元の報道やエコノミスト見立ても、サービス主導のインフレ再燃に注意を促しています。
賃金と家計|実質賃金は+1.2%—購買力は緩やかに回復
BLS「実質賃金」速報では、実質平均時給が前年比+1.2%。雇用統計では名目賃金の前年比+3.9%が確認されており、家計の購買力はインフレ鈍化とともに改善基調です。
出所:労働統計局より
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市場インパクト|金利・為替・株式の想定レンジ
- 金利:コア加速でフロントエンドは上振れやすい一方、成長減速懸念で長期は限定的。次回CPIまでは神経質な展開。
- 為替(ドル円):米金利・日米金利差とリスク選好で方向感。サービスインフレ粘着ならドル底堅さを想定。
- 株式:ディフェンシブ(医薬・公益)と価格転嫁力の高い大型株が相対優位。旅行関連は運賃上昇の需給バランス次第。
FRBの論点|住居は落ち着き、注目は「住居・エネ除くサービス」
FRBが重視する住居・エネルギー除くサービスでは、7月に明確な上振れ(コアの主要ドライバー)が観測。関税の“モノ”起点よりも、需要サイドが効きやすい“サービス”の粘着性が政策判断のボトルネックに。今後はPCEインフレとの突き合わせと、労働需給・賃金の減速確認が鍵です。
出所:労働統計局
データ抄録|主要項目の月次変化(前月比)
カテゴリ | 前月比 | 補足 |
---|---|---|
食料 | 0.0% | 内訳:内食-0.1%、外食+0.3% |
エネルギー | -1.1% | ガソリン-2.2%、電気-0.1%、ガス-0.9% |
住居 | +0.2% | OER・家賃とも+0.3%、ホテル-1.0% |
医療 | +0.7% | 歯科+2.6%、病院+0.4%、処方薬-0.2% |
輸送サービス | +0.8% | 航空運賃+4.0% |
娯楽 | +0.4% | 広く小幅上昇 |
家財・家事 | +0.4% | 耐久・サービスともじわり |
中古車 | +0.5% | 需給引き締まり |
通信 | -0.3% | ワイヤレス料金など |
数値出所:BLS「Consumer Price Index – July 2025」
投資家向けアクションリスト|短期,中期投資
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- 検証:次回CPI・PCEで「サービスの粘着」継続かを点検。住宅鈍化が続けばコア低下の道筋。
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参考ソース
- BLS「Consumer Price Index – July 2025」:公式リリースと詳細テーブル。
- BLS「Real Earnings – July 2025」:実質賃金の前年比推移。労働統計局結果より作成。
- BLS「Employment Situation – July 2025」:名目賃金+3.9%など。
- 関税・物価動向の周辺報道
参考:ワシントンポスト