マスク氏とトランプ氏が対立、テスラ株急落-数日後に和解の兆しも

アメリカの電気自動車(EV)メーカー、テスラのCEOイーロン・マスク氏と、大統領ドナルド・トランプ氏の間で激しい言い争いが起きました。しかしその後、両者は一時的に冷却期間を置き、和解の可能性も見せています。

もともとトランプ氏の助言役も務めていたマスク氏ですが、最近はトランプ氏の「大型減税・歳出法案」に反対する発言を繰り返していました。この法案は財政赤字を悪化させると批判されており、マスク氏も懸念を表明していました。

また、同法案にはEV(電気自動車)に対する最大7,500ドル(約110万円)の税額控除を縮小・廃止する内容も含まれており、テスラには年間で12億ドル(約1,720億円)もの打撃になる可能性があると指摘されています。

6月5日、マスク氏はSNS上で「トランプ氏はエプスタイン事件の資料公開を妨げているのは、自分の名前が含まれているからだ」と主張し、トランプ氏の弾劾を呼びかけました。これに対し、トランプ氏は「政府からマスク氏の企業への補助金や契約を打ち切ることが節約につながる」と応戦しました。

実際、テスラや宇宙開発企業スペースXは、アメリカ政府から多額の契約や補助金を受けており、これが打ち切られれば、マスク氏のビジネスに大きな影響を及ぼすと見られています。

マスク氏は同日、ISS(国際宇宙ステーション)への物資輸送を行ってきた宇宙船「ドラゴン」を退役させると発言しましたが、その数時間後、態度を軟化。「数日間の冷却期間を置く」という提案に「良いアドバイスだ」と応じ、ドラゴン退役の方針も撤回しました。

投資家のビル・アックマン氏が「両者はアメリカのために和解すべきだ」とSNSに投稿すると、マスク氏は「あなたは間違っていない」と反応し、歩み寄る姿勢も見せました。

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この一連の対立の影響で、6月5日の株式市場ではテスラ株が14%下落。これは約3ヶ月ぶりの大きな下げ幅で、同社の時価総額は1日で約1500億ドル(約21.5兆円)も減少しました。

マスク氏の個人資産も約340億ドル(約4.9兆円)減少し、ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、これは過去2番目に大きな資産減となりました。

この騒動は、かつて良好だったマスク氏とトランプ氏の関係が大きく変化したことを象徴しています。今後の動き次第で、テスラやスペースXの経営、ひいては米国のEV業界全体に影響を及ぼす可能性もあります。

みんなの生命保険アドバイザー