中国、米国の「約束を破った」との声明に非難-今後の対応に強い姿勢

2025年6月2日、中国の商務省は「アメリカが最近の貿易に関する約束を守っていない」と批判し、中国の利益を守るために対抗措置を取ると発表しました。
何がおきたのか?
アメリカと中国は、先日行われたスイスのジュネーブにてのトランプ関税に対する貿易交渉についてお互いに協力するという話し合い(コンセンサス)をしていました。しかし、アメリカのトランプ政権は、「中国がその合意を破った」と主張していました。それに対して中国は、「約束を破ったのはアメリカの方だ」と反論し、次のように述べました。
アメリカの新しい制限に対する中国の不満
中国は、アメリカが以下のような制限を行っていることにも強く反発し下記のアメリカの動きに対して「差別的だ」として、中国は非難しています。
- 人工知能(AI)に使う半導体の輸出制限
- 半導体を作るための設計ソフトの中国向け販売の制限
- 中国人留学生のビザ(入国許可)の取り消し
首脳会談の見通しは不透明に
トランプ氏は先月、習近平国家主席と電話で話し合いたいと言っていましたが、今回のような対立が続けば、会談の実現は難しくなるかもしれません。
背景には「関税合意」への不満も
以前、アメリカと中国はお互いに関税をかけるのを一時的にやめようという合意(関税の「休戦」)をしていました。しかし、トランプ氏は「中国がその合意を破った」と非難しています。ただし、詳細な証拠は出しておらず、アメリカ側は、中国が重要な鉱物(先端機器の製造に必要)をもっと輸出するように求めていましたが、中国が応じていないとして不満を持っています。
中国の主張
中国の商務省は下記のように述べています。
このように、米中の間では再び貿易や安全保障をめぐる緊張が高まっており、今後の両国の関係に大きな影響を与える可能性があります。