日銀、政策金利を0.5%に据え置き 2026年度から国債買入減額ペース緩和へ

東京・2025年6月17日、 日本銀行は金融政策決定会合を開き、政策金利(無担保コール翌日物誘導目標)を現行の0.50%程度に据え置くことを全会一致で決定しました。また、長期国債の買入れ減額については、2026年4月以降に現行ペースの半分となる四半期2,000億円の減額へと調整する方針を採択しました 。
1.背景と目的
- 慎重な政策運営:世界経済の不透明感、特に米国の通商政策や中東情勢の影響が強く意識されており、日銀は「下振れリスクの方が大きい」と分析 。
- 市場の安定確保:減額幅の変更により、長期金利の急激な変動を抑制し、市場に安心感を与える狙いがあります
2.今後の見通し
1.政策金利据え置きの継続:当面は0.50%を維持する見通し。
2.国債買入れ減額:
- 2026年1~3月:四半期ごとに4,000億円減額
- 2026年4月~2027年3月:四半期ごとに2,000億円減額、月間購入額は約2兆円へ
3.中間評価の実施:2026年6月会合で減額計画は再評価され、市場動向に応じて政策が修正される可能性も 。
4. 必要時の柔軟対応:長期金利が急騰した場合には、国債増額買入れなど追加措置も視野に。
3.植田総裁の記者会見
- 「現在の実質金利は極めて低い水準」「経済・物価の上振れリスクが大きい」との認識を示しつつも、見通しが実現すれば利上げも視野にと発言 。
- 減額ペースの変更は「市場の安定を重視した判断」と説明しました 。