米5月雇用統計-予想上回る雇用者増加と賃金上昇が示す米経済の底堅さ

2025年6月6日に米労働省が発表した2025年5月の雇用統計は、市場予想を上回る非農業部門雇用者数の増加と、着実な賃金上昇を示し、米経済の底堅さを浮き彫りにしました。
1.主な指標と実績(2025年5月)
指標 | 結果 | 市場予想 |
非農業部門雇用者数 | +13.9万人 | +12.6万人 |
失業率 | 4.2% | 4.2% |
平均時給(前月比) | +0.4% | +0.3% |
平均時給(前年同月比) | +3.9% | +3.7% |

2.雇用統計の推移(2025年1月〜5月)
1.雇用者数と失業率の動き
2025年5月の非農業部門雇用者数は13.9万人の増加。3カ月連続で20万人を下回ったものの、市場予想を上回る結果となり、特にサービス業での雇用が回復しています。
2.賃金の上昇動向(前年比・前月比)
平均時給は前年比で+3.9%、前月比で+0.4%の増加。インフレ懸念が根強く残る中、賃金の底堅い伸びはFRBの金融政策に影響を及ぼす可能性があります。
3.業種別の雇用動向
増加:ヘルスケア、レジャー・接客業が顕著に増加。高齢化や旅行・外食需要の回復が寄与。
減少:連邦政府職員が2.2万人減少。小さな政府を掲げる現政権の方針が影響か。
4.市場とFRBの反応
賃金の上昇ペースが加速したことで、FRBが9月の利下げに踏み切るかどうかの見通しは不透明に。トランプ大統領はSNS上で「1%の即時利下げ」を求めていますが、市場では慎重な対応が見込まれています。
5.総括と展望
5月の米雇用統計は、景気の後退リスクが叫ばれる中でも、労働市場の強さと賃金の粘り強さを改めて示しました。今後のFRBの政策判断、インフレ指標、GDP動向が焦点となります。
Check Point
このようなデータ分析を通じ、米国経済の見通しを多角的に捉えることが重要です。金融市場関係者、企業の経営判断、個人の資産形成にも示唆を与える重要な経済指標であることは間違いありません。