トランプ政権の関税は違法？国際貿易裁判所と連邦高裁の判断が分かれた理由とは

2025年6月17日 2025年6月18日

１．トランプ政権の関税政策に違法判断、だが効力は一時停止

トランプ元大統領が導入した対中関税などの貿易措置について、米国の国際貿易裁判所は「多くが違法」と判断しました。これにより、関税の即時撤廃が命じられる可能性が出てきましたが、連邦高裁はその判断の効力を一時的に停止しました。

この効力停止により、米政府は関税維持に向けた対応を継続可能となり、同時に長期的な効力停止の是非を検討する時間を得ることになります。

この判断に対し、トランプ氏はSNS上で「誤った政治的判断」だと非難。連邦最高裁が最終的に判断を覆すことに期待していると投稿しました。

一方、司法省はこの裁定がアメリカの外交政策と大統領の権限に悪影響を与えると主張。連邦高裁に対し、効力停止の継続を正式に要請しています。

別件の訴訟では、特定の玩具メーカーに対する関税も違法とされ、その企業に対しては関税撤廃が命じられました。ただし、この判断には控訴の時間が確保されており、政府の対応が注目されます。

現在、国際貿易裁判所は政府に対し、10日以内に関税撤廃の手続きを開始するよう求めています。しかし、政府側は関税維持の姿勢を崩しておらず、トランプ氏の顧問も「雇用と製造業を守るための正当な措置」と主張しています。

商務長官も、控訴によって関税措置は維持される見通しであることを強調しており、今後の司法判断が米中関係や経済に与える影響は大きいと言えるでしょう。

今回の裁定は、アメリカの関税政策とその合法性に大きな疑問を投げかけるものです。今後の連邦高裁・最高裁の動向次第では、アメリカの通商戦略そのものが大きく変わる可能性があります。