NASDAQ100—アルゴ買いの巻き戻し開始?|ロウソク足で狙う押し目と戻り売り

【結論】

上昇局面を牽引したHFTアルゴ起点の買い連鎖は巻き戻しへ。週足ではフィボナッチ61.8%=2万〜2万2250が最重要。四半期の適正価格は180〜200EMAの理論に収れんしやすく、下落の速度によっては100%近辺で200EMAと合流するシナリオも。
「価格は予想するな、流れに合わせて比重を変えろ」を軸に、W1/D1/H1の3枚チャートから具体的な売買計画を組み立てます。

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市況背景と仮説|HFT買い連鎖の巻き戻しが始動

上昇相場の中盤〜終盤で観測された急角度のリフトアップは、高頻度取引(HFT)のアルゴリズムが流動性の薄い価格帯で買いを積み上げたことにより、買い建ての連鎖が発生していたと考えます。現在はその巻き戻しフェーズに入り、強い陰線・下ヒゲの混在、出来高の偏り、移動平均線からの乖離是正が進行中です。

価格は予想するな。流れに合わせて比重を変えろ(コア:トレンド、サテライト:逆張り)。

本稿では、週足(W1)・日足(D1)・1時間足(H1)を連動させ、フィボナッチとEMAの整合で到達点と時間軸を推定。資金配分・無効化条件・損切りまで落とし込みます。

週足(W1)分析|フィボ61.8%(2万〜2万2250)とEMA収れんの射程

W1:高値圏の達成感。161.8%拡張到達後のプライスアクションと、61.8%・100%の押し目候補帯。

週足では、直近の161.8%拡張をタッチ後に上ヒゲを残し、モメンタムの鈍化が確認できます。これにより、押し目の第一ターゲットフィボナッチ61.8%(概ね2万〜2万2250)。さらに筆者の基準では、四半期スパンで価格は180〜200EMA(図の紫・ピンク)に平均回帰しやすく、下落速度が速い場合は61.8%帯で交差、ゆっくり調整なら100%近辺で200EMAと落ち合う見立てです。

週足の強弱分岐は直近高値帯の上抜け定着。これを明確に更新・維持するまでは、戻り売り優位のスタンスを維持します。

日足(D1)分析|短期MAのデッドクロスポテンシャル

D1:高値圏の青ボックス=供給ゾーン。短期MA割れ後の戻り待ち構え。

日足では供給ゾーン(青)で頭を抑えられ、短期移動平均(5〜20EMA想定)を割り込んだ後、下向きにリテストする形。オレンジの中期線やピンク・紫の長期EMAとの乖離が大きく、「戻り売り→押し目買い」の回転が最も取りやすい環境です。

Point!

  • 弱気継続:青ボックス下限〜161.8%付近で失速→陰線包み→安値更新。
  • 一時反発:青ボックス上抜けても出来高が伴わなければフェイクの可能性。
  • 買い検討2万1千〜2万2千台(W1の61.8%帯)で出来高増+下ヒゲ複数を条件に段階的に比重を戻す。

1時間足(H1)分析|短期の攻防とトリガー

H1:上部の赤ゾーン=戻り売り候補、下部の赤ゾーン=買い直し候補。中位のピボットで持ち合い。

H1では上部の戻り売りゾーンで出来高が膨らまず、ピンクの長期MAが頭を押さえる形。下部の需要ゾーン(100%近辺)までの押しは想定内で、ここでの出来高の質(増加とスプレッド縮小)が短期反発の鍵。
短期トレーダーは、戻り売り→需要帯で利食い、あるいは需要帯で逆張りのスキャルという二択が機能しやすいシーンです。

想定シナリオと行動指針

シナリオA:スピード調整(61.8%到達が早い)

急落→61.8%帯(2万〜2万2250)で200EMAと早期合流。この場合は反発も早いため、段階買い→戻りで減らす「V字対処」。

シナリオB:時間をかけた調整(100%近辺へ)

日柄調整で戻り売りを繰り返しながら100%近辺へ。200EMAが追いつくタイミングで中長期の買い比重を増加。戻りは25〜38.2%刻みで利食い回転。

シナリオC:上抜け継続の無効化

青ボックス上で週足終値ベースの定着出来高拡大が確認できた場合、弱気シナリオは無効。押し目買いに即時転換し、売り玉は損切りまたは縮小。

エントリー,手仕舞い,比重の考え方

比重の原則(コア×サテライト)

  • コア:週足・日足の方向に沿った中期ポジション(資金の50〜70%)。
  • サテライト:H1での逆張り・回転(30〜50%)。失速シグナルで即時縮小。

売りの基本

  1. H1上部ゾーンでの陰線包み/RSIダイバ売り
  2. 直近高値の少し上に損切り、目標は中位ピボット→下部需要帯。
  3. D1で短期MAを再び上抜け定着なら、売り比重を削る。

買いの基本

  1. W1 61.8%帯(2万〜2万2250)の出来高増+下ヒゲ連発で段階買い。
  2. D1で20EMA回復→押し目形成を確認してコアを積み増し。
  3. H1で上抜け→押し目(前高値リテスト)をサテライトで拾う。

損切りと無効化

週足の直近高値更新・定着は弱気無効。売りは即時撤退。買いはW1 61.8%帯の明確割れで深押し警戒→比重縮小。

リスク・無効化条件

  • マクロイベント:CPI、雇用統計、FOMC、MSCIリバランス等でアルゴの方向性が反転するリスク。
  • システム/流動性:薄商い時間帯のアルゴ暴走で狭スプレッドの急伸/急落が発生。
  • 乖離の急速縮小:急騰・急落ともにEMA回帰の速度が乱れると、ルール外の値動きに。

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よくある質問|FAQ

週足の61.8%が最重要なのはなぜ?

中長期参加者の利確・新規の逆張りが集中しやすく、出来高の節になりやすいからです。EMA回帰と重なると反発確率が上がります。

「比重を変える」とは具体的に?

押し目/戻りの度合いに応じて、コア(順張り)とサテライト(短期回転)の割合を可変にします。たとえば弱気局面は売り70:買い30、反発兆候で60:40→50:50へ。

いつ弱気シナリオを捨てる?

供給ゾーン上で終値ベース定着出来高拡大が条件。満たされたら即座にフラット化→押し目待ちへ切り替えます。

出典|参考リンク

著者紹介

元大手投資銀行

株式担当トレーダー

投資歴20年の現役トレーダー。

米国株・日経平均・為替など主要指数を中心売買分析。

著:ジョ-ン・スミス氏


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