アメリカ株式市場上昇、関税問題の緩和で投資家回帰

16日アメリカの株式市場は上昇し、S&P500指数は5日連続で上がりました。この日はアメリカの消費者信頼感指数が示すデータが弱かったものの、トランプ大統領の関税に関する問題が少し落ち着いてきたとの期待から、株価は大きく上がりました。
特に、アメリカとヨーロッパ連合(EU)が関税に関する話し合いの進展があったという報道があったことで、株価はさらに上昇しました。最近の中国との貿易摩擦が和らいできたことも影響しており、投資家たちのリスクを取る姿勢が強まっています。S&P500は今年の4月の安値から20%近く上がり、強気相場に入る可能性が高まっています。これまで貿易戦争の影響でアメリカ株は避けられていましたが、再び投資家が戻ってきています。
バンク・オブ・アメリカのデータによると、先週は米国株式ファンドに200億ドルが流入し、1ヶ月以上ぶりの純流入となりました。ナベリアー&アソシエーツのルイス・ナベリアー氏は、「関税の影響への懸念が薄れてきている」とし、「全体的に良い1週間だった」と述べています。
一方で、モルガン・スタンレーのリサ・シャレット氏は、米国株の急激な回復がしばらく続かないだろうという見方を示しています。特に、ハイテク企業の売上成長が鈍化していることが、さらなる株価上昇を抑える要因になると指摘しています。
また、アメリカの国債は下落しており、特に終盤にその下げ幅が大きくなりました。ムーディーズ・レーティングスはアメリカの信用格付けを引き下げ、政府の借金が増えていることが原因としています。10年物の国債は3週連続で下落し、今年最長の下げ幅となっています。
